本棚の片隅で~喜怒哀楽感想文~

オススメの本を感情別に分類しています。感想自体は短め。

『水の柩』道尾秀介

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

水の柩 (講談社文庫) [ 道尾秀介 ]
価格:712円(税込、送料無料) (2018/8/10時点)

笑子さんの「とにかくぜんぶ忘れて、今日が一日目って気持ちでやり直すの」に励まされました。

 

それから印象に残ったのは、蓑虫の話。

ああ、私も他人を外面だけで判断してしまうなぁ、私も外に出てるところだけで評価されてるのかなぁ。それじゃあ私の中身はどうなんだろう。やっぱり黒い芋虫のようなものなのかな、みんなそうなのかな。

そうすると大したものじゃない気がするけど、多分これは絶望しろと言っているのではない。今はまだ上手く噛み砕けないけれど、敦子が言ったようにきっと意味がある。私たちを転ばすためではなく、「忘れる」「乗り越える」ための意味が。

 

敦子は、とても強い子だと思います。

 

一つ一つの静かな積み重ねが、ラストへ向かっていきます。

最後は眩いほどの輝きではないけれど、雨粒が生み出した金色の細かく優しい光に包まれています。

静かだけれど、登場人物たちの幸せを願いたくなるラストシーンです。