本棚の片隅で~喜怒哀楽感想文~

オススメの本を感情別に分類しています。感想自体は短め。

【全力でネタバレ有り】単純なボーイ・ミーツ・ガールでは終わらない!読み終わったら余韻を残したまま冒頭を読み返してほしい、きっと心が震えるから|『映画化決定』友井羊

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ヒロインがラストで死ぬなんて陳腐なお涙頂戴だと登場人物に語らせておきながら物語はどこへ決着するのかと読み進め、小さな感情の揺らぎを感じながら温かな気持ちで読了。

しかしふと思い出して冒頭を読み返した瞬間、胸が震えました。

そこでは明確に、ハルが死んでいたからです。

ナオトがコミックスを出すようになっているきっと数年後、ハルはもうこの世にはいない。作中でも議論がなされたハッピーな結末と悲しい結末、その両方の読後感をたった一冊で味わわせてくれるだなんて。

単純な青春小説に見せかけて綿密に練られた構成は、物語が持つ力を充分すぎるほどに与えてくれます。最終的には合う・合わないの話になるかもしれないけれど、どちらも正しいのだ。

 

ハルの映画への愛や情熱も丹念に書き込まれていて、胸に伝わってくるものがありました。

かつては漫画家を目指す少女であった私にとっては、物語論も実に興味をそそられました。