本棚の片隅で~喜怒哀楽感想文~

オススメの本を感情別に分類しています。感想自体は短め。

「あのトリック」を題材にしたミステリーアンソロジー|『鍵のかかった部屋』

鍵のかかった部屋 5つの密室 (新潮文庫) [ 似鳥 鶏 ] 凄いです、凄く良かった。 ラストの島田荘司「世界にただひとりのサンタクロース」の余韻が未だに私の胸を痛め付けます。幸福からの絶望に心が軋む。 彩瀬さんは女性が主人公の作品が多いけれど、男主…

待望の国名シリーズ!|『インド倶楽部の謎』有栖川有栖

インド倶楽部の謎 (講談社ノベルス) [ 有栖川 有栖 ] 今回も非科学的だと言ってしまえばそうであることが物語の中心に据えられていますが、不思議と突飛な感じはしませんでした。読ませるよね、上手いなぁ。 作中でやたら前の作品たちのタイトルが出てくる…

青春ミステリー好きにはたまらない一冊!|『放課後探偵団』

放課後探偵団 書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー (創元推理文庫) [ 相沢沙呼 ] これも面白かったなー!相沢さんのみ既読でした。学園ミステリーはキャラクター性が強くて読みやすい。 梓崎優「スプリング・ハズ・カム」を最後に持ってきた構成が最高で…

ラスト数ページでひっくり返される気持ちの良さ!|『新鮮THEどんでん返し』

新鮮 THE どんでん返し [ 青柳碧人 ] これ面白かったなー! どのお話もしっかりどんでん返し感がありました!完全に作者の思惑にハメられてしまった心地よさ。 まさに新鮮な気持ちで楽しめました!

殺意はカノンのメロディにのせて|『致死量未満の殺人』三沢陽一

致死量未満の殺人 (ハヤカワ文庫) [ 三沢陽一 ] タイトルでネタバレやーん!と思ってたら続きがありました。 最後はドキドキしました、面白かった。ちょっと昭和の香りがするところが好きです。 難読漢字が少ししんどかったので、平仮名にしてもよかったの…

金木犀の甘やかな香りが漂うこの場所で、心がほっこりする家族たちの物語|『スイート・ホーム』原田マハ

スイート・ホーム (一般書) [ 原田 マハ ] とってもほっこり素敵な世界観! 丁寧に送る生活を、そしてそんな人々を、原田さんが心から愛していることが伝わってきました。 心が朗らかになる一冊です。

失った夏が、いま甦る|『夏をなくした少年たち』生馬直樹

夏をなくした少年たち [ 生馬 直樹 ] とても良かった……とてもとても胸に迫るお話でした。 あの夏の日の少年たちの姿が、そっと空に浮かぶ。 今はもう届かない、置いてきてしまった、だけどやっと手を伸ばせる。 その感覚を引き出してもらえただけで、感無量…

『午後二時の証言者たち』天野節子

午後二時の証言者たち [ 天野節子 ] 60オーバーでデビューされた作家さんとのことで、失礼ながら古くさいかな……?と思って読み始めたら、全然そんなことなかったです。 ラストはもう少しミステリーするのかと思っていたら、比較的ストレートな結末に。 あの…

女性作家陣による恋愛小説アンソロジー|『恋のかたち、愛のいろ』

恋のかたち、愛のいろ (徳間文庫) [ 唯川恵 ] 原田マハ「ブルースマンに花束を」にやられました。 漂う昭和感がどことなくアンニュイで、ライブハウスと結婚式場とのムードの対比が圧倒的に巧い。 畠中恵「苺が赤くなったら」もポップで良かったです。 ヴ…

【微ネタバレ有り】納得の本屋大賞受賞!|『かがみの孤城』辻村深月

かがみの孤城 (一般書) [ 辻村 深月 ] 設定が『冷たい校舎のときは止まる』にそこはかとなく似ていたので読み始めから期待していたのですが、結果としては期待以上でした。 ハラハラ感なら『冷たい~』で、希望の温かさならこちらかな。 こういうふうに記…

求めていた愛情、たとえどうしようもなく縛られても|『不在』彩瀬まる

不在 [ 彩瀬 まる ] すごい……すごいすごい、彩瀬さんマジックがすごい。 いわゆる機能不全家族に生まれた子の罪悪感を見事に描き出しています。 「普通」じゃないからこそ、わかることがある。作品は寄り添ってくれる。そして、わかってもどうしてもまた愛を…

こんなの序の口、だよね……?|『ブラック企業に勤めております。』要はる

ブラック企業に勤めております。 (集英社オレンジ文庫) [ 要 はる ] ライトなノリで楽しく読めた……けどいやいや、主人公にとってはこれ全然ブラックじゃないよね!? みんな優しいじゃん……わりと恵まれた職場だと思うんだけどなぁ。 林さんはとてもとても…

震え上がる執念から憧れまで!|『女ともだち』

女ともだち (文春文庫) [ 村山 由佳 ] 冒頭3作がホラー過ぎて震えました。 坂井希久子「ト・モ・ダ・チ」のぞわぞわ感が凄いです。 最後を締める森絵都さんが最高オブ最高なのは言うまでもなく(変わらなくってもいい、それがネイチャー)、どの作品も良か…

『消えていく日に』加藤千恵

消えていく日に (文芸書) [ 加藤千恵 ] このタイプの恋愛小説は、もしかしたらもっと恋愛経験豊富な人が読んだほうがハマるかもしれない。でも退屈はしなかったです。 「新しい干支」の知世ちゃんが好き。

無意識下にある人間のエゴを抉り出す|『噛みあわない会話と、ある過去について』辻村深月

噛みあわない会話と、ある過去について [ 辻村 深月 ] タイトル通り、会話劇多めの短編集。 「パッとしない子」が主人公ザマーミロすぎて、正直私は爽快でした。 いじめてなくても疎んでいるのは伝わるもの。尊敬しなくていい大人がいる、大切にしなくていい…

籠城事件は二転三転?!面白い!たまらない!とにかく読んで!|『ホワイトラビット』伊坂幸太郎

ホワイトラビット [ 伊坂 幸太郎 ]価格:1512円(税込、送料無料) (2018/8/11時点) これはもうすこぶる面白かった、面白かったぞー!! メタ視点の地の文がユーモラス。 は~~~もうすっっっかり騙されました!台詞伏線の回収がたまらない! 伊坂さんにはい…

主人公はサイコパス?隅々まで張り巡らされた仕掛けにも注目!|『スケルトン・キー』道尾秀介

スケルトン・キー [ 道尾 秀介 ]価格:1620円(税込、送料無料) (2018/8/11時点) 今回も色々なサプライズがあって面白かったけど、バイオレンス成分が多いかな……と思ってたら、最後の最後で胸に染みました。 どうか祈りを、どうか願いを。「大丈夫」と繰り返…

『出会いなおし』森絵都

出会いなおし [ 森 絵都 ]価格:1512円(税込、送料無料) (2018/8/11時点) どの短編も絶妙にユーモラスで胸にじんと来る、とても素晴らしい。 私も出会いなおしていくことができるだろうか、もっと立体的に見つめられるように。 「テールライト」の仕掛けが…

『デートクレンジング』柚木麻子

デートクレンジング [ 柚木麻子 ]価格:1512円(税込、送料無料) (2018/8/11時点) 久しぶりにサスペンス感の薄い柚木さん。 婚活や妊活は今の私にはあまり関係ないけれど、迷って空回りしながら生きていくその姿には共感できました。 笑い合って終わるラスト…

『青空と逃げる』辻村深月

青空と逃げる (単行本) [ 辻村 深月 ]価格:1728円(税込、送料無料) (2018/8/11時点) 攻守のバランスが良いというか、成熟されてきた辻村さん。 一つの事故が二つの家族を変えてしまったという事実が重たく響き渡る。だけどそれぞれの場所で温かい出会い…

【微ネタバレ有り】『本日は、お日柄もよく』原田マハ

本日は、お日柄もよく (徳間文庫) [ 原田マハ ]価格:699円(税込、送料無料) (2018/8/11時点) また好きな作家さんが増えてしまった……! 決してお涙ちょうだいではないのに、瞳が潤むのはなぜでしょう。 こと葉がワダカマへの恋心を自覚したシーンが凄く良…

『さらさら流る』柚木麻子

さらさら流る [ 柚木麻子 ]価格:1512円(税込、送料無料) (2018/8/11時点) 柚木さんはすっかりこっちへ路線変更したのかな。 人間の矛盾を肯定する言葉が力強い。心強い。 光晴くんの家は完全に機能不全家族ですね……。

『真実の10メートル手前』米澤穂信

真実の10メートル手前 (創元推理文庫) [ 米澤穂信 ]価格:734円(税込、送料無料) (2018/8/11時点) がまくら事件簿の「ナイフを失われた思い出の中に」のみ既読。あのときはよくわからなかった太刀洗万智のキャラクター性を、この本を通じて知ることができ…

【ネタバレ有り】『天使のナイフ』薬丸岳

天使のナイフ (講談社文庫) [ 薬丸岳 ]価格:720円(税込、送料無料) (2018/8/11時点) 素晴らしすぎて……素晴らしすぎて言葉にできません。 これがデビュー作だと?凄すぎる。 クライマックスはとにかく一気読み! いくつもの罪が交錯していくラストは圧巻…

『刑事の怒り』薬丸岳

刑事の怒り [ 薬丸 岳 ]価格:1620円(税込、送料無料) (2018/8/11時点) 短編集ですが、どれも……どれも凄く胸に迫りました。 ミステリーとして以上に、犯罪にまつわる人間を描いた小説として素晴らしい。 薬丸さんの殺人を美化しないスタンスは徹底してるな…

『ソロモンの犬』道尾秀介

ソロモンの犬 (文春文庫) [ 道尾秀介 ]価格:648円(税込、送料無料) (2018/8/11時点) 初々しき道尾さん。設定がさ、辛いですよね……。 終盤の読むのが止まらなかった感と温かみのあるラストはさすがの一言。でも子どもと動物が絡んでくると辛いわ……。 京也…

『ミステリークロック』貴志祐介

ミステリークロック [ 貴志 祐介 ]価格:1836円(税込、送料無料) (2018/8/11時点) 『青の炎』しか読んだことがなかったので、貴志さんってこんな作風もあるんだー!と。 随分コミカルだなぁと思っていたら、最後の最後が辛すぎでした……。犯人がクズなのより…

『dele』本多孝好

dele ディーリー [ 本多 孝好 ]価格:1728円(税込、送料無料) (2018/8/11時点) 静かだけれど胸を揺さぶる「死」を描かせたら右に出る者はいない本多孝好。 本作でも「死」に関わる職業が、「死」を入念に思いやりながら描写されています。 続編読まねば……!

『ある少女にまつわる殺人の告白』佐藤青南

ある少女にまつわる殺人の告白 [ 佐藤青南 ]価格:1512円(税込、送料無料) (2018/8/11時点) オチに意外性はなかったけれども、核心を最後まで引っ張ってくれたおかげで続きが気になってすいすい読めました。 ミステリーとして、というよりは児童福祉に関す…

『百瀬、こっちを向いて。』中田永一

百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫) [ 中田永一 ]価格:616円(税込、送料無料) (2018/8/11時点) キュートで切ない作品揃い。 表題作と「なみうちぎわ」は既読だったのに、ほとんど内容を覚えていなかった。なぜだ……。私の読書力もアップしたということ…