本棚の片隅で~喜怒哀楽感想文~

オススメの本を感情別に分類しています。感想自体は短め。

金木犀の甘やかな香りが漂うこの場所で、心がほっこりする家族たちの物語|『スイート・ホーム』原田マハ

とってもほっこり素敵な世界観!

丁寧に送る生活を、そしてそんな人々を、原田さんが心から愛していることが伝わってきました。

心が朗らかになる一冊です。

失った夏が、いま甦る|『夏をなくした少年たち』生馬直樹

とても良かった……とてもとても胸に迫るお話でした。

あの夏の日の少年たちの姿が、そっと空に浮かぶ。

今はもう届かない、置いてきてしまった、だけどやっと手を伸ばせる。

その感覚を引き出してもらえただけで、感無量です。

『午後二時の証言者たち』天野節子

60オーバーでデビューされた作家さんとのことで、失礼ながら古くさいかな……?と思って読み始めたら、全然そんなことなかったです。

ラストはもう少しミステリーするのかと思っていたら、比較的ストレートな結末に。

あの名前がペンネームだったことは早期に予想がついていたので拍子抜けしたけれど、娘を、ただ一人の最愛の天使を失った志摩子の胸の悲痛はこちらが辛くなるほどに伝わってきました。

女性作家陣による恋愛小説アンソロジー|『恋のかたち、愛のいろ』

原田マハブルースマンに花束を」にやられました。

漂う昭和感がどことなくアンニュイで、ライブハウスと結婚式場とのムードの対比が圧倒的に巧い。

畠中恵「苺が赤くなったら」もポップで良かったです。

ヴァシィ章絵「号泣男と腹ペコ女」、二人は今後どうなるのかな。初めて読む作家さんだったけれど、読みやすかったです。

【微ネタバレ有り】納得の本屋大賞受賞!|『かがみの孤城』辻村深月

設定が『冷たい校舎のときは止まる』にそこはかとなく似ていたので読み始めから期待していたのですが、結果としては期待以上でした。

ハラハラ感なら『冷たい~』で、希望の温かさならこちらかな。

こういうふうに記憶は失われたけれど何処かに残っていて最後に再会、みたいな話は本当にぐっと来ます。

瀬尾まいこさんの『温室デイズ』ではあたかもフリースクールが悪いものであるかのように書かれていたのに対し、フリースクールをちゃんとしたものとして描いてくれたところも良かったです。

 

負けたくないけど、闘わなくていい。

居場所は一つ限りではない。

 

真相が先に読めてしまったところはあったけれど伏線の回収や叙述の妙は素晴らしかったし、サプライズがキモじゃないからよし!

こころのお母さんが言ってくれたこと、私も言ってもらいたかったんだなぁ。あの頃、きっと自分で思っていた以上に辛かったんだなぁ。

私にとって、すごくすごく大切な一冊となりました。

 

一周回って研ぎ澄まされたというよりは一周回って丸みを帯びて、けれどそれはイヤな丸みではなくて、包み込んでくれる教えてくれる寄り添ってくれる、本当の強さをはらんだ温かな光のようなものだと思います。

求めていた愛情、たとえどうしようもなく縛られても|『不在』彩瀬まる

すごい……すごいすごい、彩瀬さんマジックがすごい。

いわゆる機能不全家族に生まれた子の罪悪感を見事に描き出しています。

「普通」じゃないからこそ、わかることがある。作品は寄り添ってくれる。そして、わかってもどうしてもまた愛を期待してしまうその姿まで。

一人として生きていい、一人として生きていく。

こんなの序の口、だよね……?|『ブラック企業に勤めております。』要はる

ライトなノリで楽しく読めた……けどいやいや、主人公にとってはこれ全然ブラックじゃないよね!?

みんな優しいじゃん……わりと恵まれた職場だと思うんだけどなぁ。

林さんはとてもとても格好良いです。